Q344
親知らず抜歯後のしびれ Tさん

2ヶ月ほど前に親知らずを抜いてもらって、麻酔の痺れがまだ取れません。徐々になくなっていく感じだったのですが、この1週間ほどはひどくなってきました。何か病気でしょうか。教えてください。 抜いた歯は右の奥歯の奥で、痺れは下唇からあごにかけてです。
(99/03/07)

A346
Re:親知らず抜歯後のしびれ ブッコチ先生

初心者という事ですので、気をつけて噛み砕いて、お話ししますね(^_^)
もし、それでも、わからない場合や追加質問があれば遠慮なくどうぞ。回答は、あくまでも、推測ですので、その点よろしくお願いします。
原因も他にも色々可能性はありますし。運悪く、他の原因が発生している可能性も絶対にないとはいえませんし。
・その大半というか、殆どは、治療ミスではない事が一般的です。 この点は、十分に理解しておいてください。

・このような歯を抜いた後の「しびれ」とかは、偶発的に起こる場合もあります。  私も一名経験したことがあります。  北海道大学口腔外科の福●先生のように偉い先生でも、何名か経験していると話しておられます。  野間先生という方が、歯科ジャーナルという歯医者さん向けの本で、埋まっている親知らずを 抜いた場合に、100人中3人に、痺れが出たと研究報告を述べておられます。

・アメリカのように、裁判社会では、歯医者さんを訴えるトラブルで、一番、多いのが 歯の治療後の「痺れ」で、麻痺(マヒ)が出て訴えた患者さんの24%が補償金を受け取って  いますが、それでも、治療ミスが原因だったのは、殆ど稀だと思います。
 (私は、アメリカの病院に勤務していたので、そう実感しています)

・じゃあ、注射が原因で、直接、アゴの神経に注射の針が刺されて神経が切れたり傷ついて 痺れが出たのでは?と、思われるかもしれませんが、北海道大学口腔外科の専門の先生の  話によれば、それは、「一般的には考えられない」そうです。

・勿論、間接的には注射が原因の事が多いのですが、それは、専門的な事は難しくなるので  割愛しますが、分かりやすく言えば、 血腫(けっしゅ)という血の塊のようなものが、出来て神経を圧迫して痺れが出たり、  自律神経に作用して(患者さんの緊張や恐怖感など)、結果的に浮腫(ふしゅ)という ものができて、それが神経を圧迫して起こる場合もあります。

・それ以外にも、親知らずの歯の状態とかも関係してくる事があります。  フランク博士の研究によれば、ある難しい状態では(具体的には大変難しい事なので割愛) 100人中15人に痺れが出たという調査もあります。

・医学的にも考察されていることなのですが、患者さんに麻酔の注射をする時に患者さんを  水平に寝かせたままで、おこなった場合の方が起こりやすいという報告もあります。 (北海道大学)

・「じゃあ、このまま、一生、痺れたまま?」という不安があるかもしれませんが、 その殆どが回復します。(絶対とはいいませんが)

  ・但し、人によっては、数日で消える事もあれば、1ヶ月以上も続く場合もあります。 (昭和大学口腔外科)

・薬を使った治療法など、色々ありますから、先ず、主治の先生に相談されてみられては いかがでしょうか?
 また、行くのは気が引けるという場合は、大学病院などの「口腔外科」という診療科に 受診されたらいいでしょう。
 ★書き込みを読む限り、状態は思わしくないようですから、極力、早めに受診してください。

では、最後に、ワンポイント・アドバイスを。
食事は、以下のような点を頭にいれておかれるといいと思います。

1)ビタミンB1:神経のエネルギー(の代謝)や浮腫に良いです。
        強化米が群を抜いて多いのですが、他には、小麦胚芽、干しノリ、
        胡麻、豆類でもいいです。ヌカ漬けなんてのも良いですねえ。
        日本人は、このビタミンの半分を穀物から摂取しています。
        このビタミンは、水に溶けやすいです。柔らかく煮込もうと
        重曹を加えて煮込むと、壊れてしまいますので、注意してください。

2)ビタミンB6:神経の活動を調整してくれます。浮腫や疼痛にも良いです。
        魚、牛乳、豆類に多く含まれていて、調理しても、沢山は壊れない
        ビタミンですが光で分解するので、豆類では、直射日光を避けて暗
        所に保存しておいて下さい。

3)ビタミンB12:これも神経の回復にいいです。
         うなぎや肝に多く含まれるのですが、そうそうに食べてばかりは
         出来ませんね。魚の鯖、チーズなでもいいし、案外、納豆にも多
         く含まれていますよ。これも光に弱いビタミンです。
         また、胃を全部切り取る手術をされた方は、不足する事が多いビ
         タミンです。

4)ビタミンE:悪い部分の循環をよくして回復の手助けをしてくれます。
        熱に強くて、調理しても摂取しやすいのですが、紫外線に弱いので
        日光は避けて保存してください。動物性食品には少ないので、肉食
        中心の食事は避けた方がいいでしょう。マヨネーズ、マーガリン、
        落花生、小麦胚芽、すじこ、たらこ、松の実などに多く含まれます。
        最も、人間では欠乏症は聞き及びませんが。
        余談ですが、このビタミンは、森の小動物(リスなど)には欠かせ
        ないビタミンで、森の実なんかには多く含まれています。不足する
        と、不妊・流産・精子の活動低下などの原因にもなります。例えば、
        リス1匹に必要な松の木は550本という報告もあるくらいです。
        森の破壊は、緑の破壊ばかりでなく、森の生き物達の子孫繁栄の破
        壊でもあるんですねえ。

(99/03/07)

Q350
Re:親知らず抜歯後のしびれ Tさん

アドバイスありがとうございます。
一応主治医の先生にはそのための薬をもらっていますので、それを飲んで様子を見ていればいいでしょうか。
(薬はメチコバールe322とユベラN e200と書いてありますが、ビタミン剤ですかね。)
(99/03/08)

A360
薬の説明義務 真夜中の歯医者さん

>薬はメチコバールe322とユベラN e200と書いてありますが、ビタミン剤ですかね。

あれ?薬の袋に書いてあるか、説明は受けなかったでしょうか?

(ユベラE)・ビタミンE
(メチコバール)・ビタミンB12

薬の処方にあたっては、
十分に患者(或いは、保護者など)が理解できるまで 薬の内容や副作用などについて説明する必要があります。

法律上、処方箋の発行は治療行為の一種であるとされており(医発第四、二五七他) その、実行に当たっては、必要な事項の指導を怠った場合は違法とみなされています。
(医師法第23条他)

さらに、患者さんに渡す薬の容器や袋には、最低限次の事項を記載していなければ 違法行為です。(医師法施行規則第21条、同第22条)
   ・患者の氏名
   ・病院若しくは診療所の名前と所在地
       (又は医師(歯科医師)の住所、氏名)
   ・患者に交付する薬の用法、容量

また、当然の事ながら健康保険上、上記を遂行しなかった場合、処方箋発行に 関わる保険請求は認められません。

(99/03/08)


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